「大学・高校実践ソリューションセミナー2008大阪」(内田洋行)に参加して

「私学財政の現状と今後の課題について」(私学振共事業団・西井泰彦)は過去10〜15年の大学・短大・高校の志願・入学状況と財務分析から経営強化の事例、学生確保の為の取り組みとこれから求められるものについて、良く纏められた資料でした。
「ICTと空間デザインを統合した新しいキャンパスを考える―ユビキタス・プレイスとは―」(株・内田洋行・若杉浩一)は従来の固定的な建築・内装・家具を見直し、第3次の空間・多層化デザイン・環境をデザインする。「界隈性・生き様・温かさ」をコンセプトに新しいコミニュケーションの場と考え、低コスト・簡素な内装(BOX IN BOX、杉材など活用)・家具を追加して、実現する。その新しい場を使い、地域・企業・学校などの融合のコミュニティーを形成する。子供に仕事場を見せ、地域と大人が触れる新しい環境を創りだしていく。激しい情報機器の更新に対応した新しい内装の考え方がこれからは必要とのこと。
「ART CALL BRIX英語学習の概要(駒木亮)、高校の英語運用能力向上の効果(奈良市立一条高校・酒井雅子)、大学の科学技術英語への導入効果(名工大・小山由紀江)」は音韻聞き取り・音節聞き取り・語彙・文章・音声録音などの組み合わせにより、語彙量と聞く・話す・読む・書くの4技能向上に貢献が期待出来る。PCとART CALLシステムの使い易さが、個別・自習学習は勿論のこと、英語理解・リーデイング・リスニングの授業にも使えそうである。今後、小中高の英語学習に導入され、効果が確認されることが期待される。但し、文法学習については不明であった。
展示ではユビキタス・プレイス、ICカード認証やCANONの教材提示装置・60枚/秒超高速連射カメラ(堀さん説明)などが目についた。
特に、情報の進化に対して、箱物・空間の変化(環境をデザインする)に興味を持った。「多様化・情報化・界隈性・生き様と低コスト・簡素化」をコンセプトにしているように感じた。但し、学校の問題点は教職員の意識が改革され難いこと。意識改革のポイントの1つは環境の変更である。内装の一部からでも低コストで新しい空間に変更し、イベントもできるコミニュケーションの新しい場を設けていく検討が大学では必要と感じた。所謂、機能による固定的部屋ではなく、情報機器を含めて多様に使える部屋に変えることかも。