「人がいきる組織(共創が働き方を変える)」を読んで

最近、自分で考えていることや問題点について、非常に近い考え方と実践例を読み感動しました。「共創」とか「協働」の考え方が言われだし、世の中で少し広がって来ているように感じます。学校にはもともと、「共創」=「異なる背景や立場をもった者が一体となって場を形成し新たな価値を創造していくこと」の考え方が学びにあり、組織形態としても企業や官庁のようなピラミッド型で分業・管理強化型ではないはずでした。しかし、最近では学校にも競争の原理(市場原理)が組織的に導入され、いきずらい組織として悪い面も現れて来ています。一般社会・ビジネスの世界は競争が変化を起こし、新しい環境と仮説で競い合い、成長をとげて行く姿です。変化の激しいこれからの社会では、従来型の組織や分業・管理型のトップダウン経営と考え方では組織や働く人にとって、新しい価値や創造性は生れ難く成っています。又個人の生き方としても、自分の資質や価値観を連帯感に焦点を当て高め、社会にどう活かせるかが問われていると感じます。この共創的な考えや組織は①共通のビジョンを持つ、②より高い視座からの使命を設定する、③危機感と変革を与える、④何でも言える場を作り発信し易くする(語り合う)、⑤信頼関係をつくる(自分と周りの区別が無くなる感覚)ことで実現できる。そして変化の早い動的環境下で将来が複雑で見えず成果が分かり難い現在、正解ではなく説得解を生み出していき、参加メンバーが一体感と達成感が同時に得られることが素晴しいことです。具体的には「メンバー同士が相容れない存在ではなく、理解し合える仲間だとの思いを共有」できて初めて実現する。それには「個人の尊重・社会貢献・地球環境への意識」など高次元の使命を意識することがやはり不可欠です。
一方、学校ではこの「共創」の考え方や組織は教室や学びの中にあるはずです。しかし、その学びの要素である「憧れ、主体性、責任感、風通しの良さ、双方向な情報、組織の柔軟性、モチベーション向上など」が具体的に上手く提供されていないと感じます。この「共創」の考え方を教室で実現するためには、先生のマインドとスキル(学校システム)をどう高め、改革していくかが問題です。具体的には授業(学習)方法や環境作りに新しい工夫が是非必要と感じます。教育現場に是非ともこの様な「共創」の考えと組織を取り入れて、若い時から体験していければ、生徒達は社会に出てからもっと創造性が豊かになると確信します。兎に角、「受け身ではなく、対等な人間として尊重されながら批判されずに聞いてもらえる場、語り合える場が納得解や創造性を生み、安心と信頼がつくられ、共創の関係が出来ることは最高です。